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睡眠負債

がん、認知症、糖尿病引き起こす「睡眠負債」 
“足りている”と思っても実は不足している状態
【睡眠負債の恐怖と解消法】(上)

「睡眠負債」という言葉がクローズアップされている。十分に睡眠をとっていると思っていても実は足りておらず、いつしか“借金”のようにふくらんで、がんや認知症、糖尿病などを引き起こす状態のことを指すというが、ではどれだけ眠ればよいのか。専門家に尋ねた。
このご時世、積み重なった仕事に夜の付き合いなど、サラリーマンなら「睡眠不足」は避けて通れない。眠い目をこすりながら出社した経験は誰しもあるはずだ。

一方、「睡眠負債」は、それなりに眠っていると自覚している人でも注意が必要だという考え方だ。
脳神経科学が専門の早稲田大研究戦略センター教授、枝川義邦氏によると「自分では睡眠が足りていると思っていても、実際は不足している状態が睡眠負債の特徴だ。1日1時間程度の負債が積み重なるだけでも、がんにかかりやすくなったり、認知症や糖尿病を引き起こしたりすると考えられるようになってきた」という。
では、どれぐらいの睡眠時間で「負債」が生じるのか。枝川氏は「6時間睡眠を2週間続けると、脳の認知能力は2晩徹夜した状態とほぼ同じになるという実験結果が出ている」と話す。
厚生労働省が2015年に20歳以上の男女計7062人を対象に行った調査では、全体の約40%が睡眠時間は6時間未満だと回答した。

「睡眠時間は少なすぎてもいけないし、多すぎると今度は死亡率が高まるという結果が出ている。個人差もあるが、現在は7時間程度が最適とされている」(枝川氏)
忙しいなか、7時間眠るのが無理なら、週末に寝だめして取り戻そうと考える人もいるだろう。しかし、枝川氏は「睡眠負債の状態の人に寝たいだけ寝てもらう実験では、被験者に1日十数時間睡眠を取ってもらうと、最適な睡眠時間に落ち着くまで1〜2週間かかることが分かっている。これは、週末の2日間だけで負債を返済することはできないということを意味する」と指摘する。

逆に寝過ぎると生活のリズムが崩れ、週明けに気分が沈む、いわゆる「ブルーマンデー」に陥りがちだという。
ではどうすればよいのか。自身も多忙のため、7時間睡眠は取れていないという枝川氏は「せめて睡眠の質にこだわるようにしている」と話す。次回は少しでも睡眠を改善するために実施したい10カ条を紹介する。



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