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空中ディスプレイ


“空中ディスプレイ”が目指す、デジタルサイネージのイノベーション

映像事業などを手がけるアスカネットは9月28日、空間上に立体的な映像を表示してインタラクティブな体験を実現することができるエアリアル・イメージング・プレート(AIプレート)に関する事業説明会を開催し、10月3日から6日の日程で開催される展示会「CEATEC JAPAN 2017」(千葉県・幕張メッセ)に出展すると発表した。


何もない目の前に映像が出現する“空中ディスプレイ”

AIプレートは、ディスプレイの映像に対して45度の角度で配置すると、プロジェクタなどを使わずに映像を何もない空間に出現させ、“空中ディスプレイ”を実現することができる製品。空間にある映像に“タッチ”することで画面操作ができるインタラクティブ性を備えているのが特徴で、映像表現を通じてブランディングや顧客体験を生み出すデジタルサイネージや、非接触操作が可能である点を活かした衛生管理が必要な医療現場や飲食店のタッチパネルに対する置き換えとしての利活用を想定しているという。


アスカネットでは今年2月にウェブサイトを通じたAIプレートの販売を開始。また、今年は国内だけでなくデジタルサイネージ関連の展示会「DSE2017」(米国・ラスベガス)、先端技術展示会「Infocomm China」(中国・北京)、産業技術展示会「Hannover Messe」(ドイツ・ハノーバー)など海外の展示会にも出展し、大きな反響を獲得したという。

また並行して、国内では旅行大手のJTBや化粧品大手の資生堂などにAIプレートの試作品を200点以上納入し、店頭のデジタルサイネージとして利活用の可能性を検証してきたのだそうだ。


「現在は、国内よりも海外からの引き合いのほうが多く、生産が追いついていないほど。北米ではミュージアムや映画館などに大型サイネージとして展開したいという導入ニーズが多く、欧州では自動車メーカーなどで製品に組み込む形で活用したいというニーズが高い」(アスカネット代表取締役社長兼CEOの福田幸雄氏)

今回のCEATEC JAPANでは、従来のガラス製AIプレートに対して大幅な低価格化を実現する樹脂製AIプレートのプロトタイプを展示するほか、ほぼ等身大の人の像をAIプレートによって空間に出現させて双方向のコミュニケーションを可能にする「3D-DELZO」や、AIプレートとモーションセンサによって空間に出現したゲーム画面を対戦相手と向かい合って楽しむことができる「iMATCH」、壁面に1メートル角のAIプレートを6枚設置して5画面連続で空中に映像を表示する「壁面空中サイネージ」などを展示するという。

福田氏は「AIプレートによる空中ディスプレイの様々な可能性を提案していきたい」と意欲を示した。


このAIプレートに対して、なぜ海外からの反響が大きいのか。福田氏に話を伺ったところ、「欧米や中東ではデジタルサイネージに関するビジネスが大きく進んでいる」と日本との違いを指摘する。屋外や映画館や店舗などの商業施設、博物館など学習施設の中で展開されるデジタルサイネージに対しては、海外では接触者の記憶に強く残るインパクトのある体験を追求する傾向があり、投資額も日本とは全く異なるという。加えて、表示するコンテンツの企画力や空間演出のセンスなども進んでいるのだという。


「既存のデジタルサイネージをAIプレートによる空中ディスプレイに置き換えたいというニーズは高い。中には、海外のデジタルサイネージ事業者がクライアントを引き連れて商談に来たこともある。デジタルサイネージ業界全体で“表示して見せるだけ”というユーザー体験からの脱却を目指しているのではないか」(福田氏)


日本においてデジタルサイネージは、企業のマーケティング・プロモーションのなかでブランド認知度の向上やブランド体験の創出などに活用されることが多いが、デジタル化、リッチコンテンツ化が進んでも、実際のところは企業が発信したい情報を一方的に伝える看板広告と同じ役割にとどまることが多い。その結果、情報が溢れている屋外や商業施設の中ではデジタルサイネージそのものが埋没してしまうということになりがちだ。


しかし、ブランド・コミュニケーションは生活者の感性を刺激して心に何かを残すというエモーショナルな側面を持つ。本来であれば、“どうすれば映像に足を止めてくれるか”、“どうすれば心に何かを残せるか”という観点でデジタルサイネージの活用を考える必要があるのではないだろうか。「海外の事業者は“遊び”や“感動”といった体験を重要視してデジタルサイネージを考えている。マーケティング効果ばかりを気にしている日本のマーケターとは対称的だ」(福田氏)


福田氏によると、このAIプレートに関しては海外事業者との交渉が多く、グローバル展開している企業が導入して日本の店舗などに展開するという形で日本国内でも体験できる機会が増えるのではないかとしているが、低価格化・量産化技術が確立したことで今後は日本国内でも事業を拡大していくという。


「AIプレートを導入するにあたっては、コンテンツ制作や店舗設計、IoTなど様々な分野のノウハウが必要になる。今後事業を拡大するためにパートナーエコシステムの構築を推進していきたい」




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