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超大質量ブラックホール






時速800万キロで宇宙を移動する超大質量ブラックホールの存在が確認される

目の前のものを手当たり次第にむさぼり食う超大質量ブラックホールの存在がハッブル宇宙望遠鏡によって発見された。

それは通常なら銀河の中心にあるはずだが、重力波によってそこから追い出されてしまったようだ。

質量は太陽の10億倍以上。銀河の中心から追い出されたことが検出されたものとしては、最も巨大なブラックホールである。地球から80億光年離れていることが幸いだろう。

これまで銀河から追い出されているかのようなブラックホールはいくつか確認されているが、今回初めてはっきりと証明された形である。

ブラックホールから放たれる重力波

アインシュタインが予言した重力波は、2つの巨大な天体が衝突することで生じる宇宙の波紋である。

これは石を水たまりに落としたときにできる同心円に似ている。昨年、レーザー干渉計重力並天天文台(LIGO)で、恒星級の質量を持つ2つのブラックホールから放たれる重力波が直接検出され、その存在が証明された。

3C 186というクエーサー

ブラックホールを直接観測することはできないが、それはクエーサーという、銀河全体でも一際目立つ強烈な放射線の中心にある天体のエネルギー源である。

3C 186というクエーサーとそれが位置する銀河は、銀河団から80億光年離れた場所にある。

今回の発見をした研究チームのリーダーである宇宙望遠鏡科学研究所(STScl)とジョンズ・ホプキンズ大学のマルコ・キアベルジェ(Marco Chiaberge)氏によると、強烈な放射線を放ちながら融合する銀河を観測しているときに奇妙な特徴に気がついたそうだ。

融合するたくさんの銀河やクエーサー周辺のめちゃくちゃになった宿主銀河は予想していましたが、均整のとれた銀河の中心からはっきり距離をおいたクエーサーはまったく予想していませんでした

とキアベルジェ氏。ブラックホールとは銀河の中心にあるものなので、そうでないクエーサーは非常に珍しいのだという。

ブラックホールの移動速度は地球から月まで3分で到達するほどの速さ

計算によれば、ブラックホールが移動する速さは、地球から月まで3分で到達するほどのものだ。この速さであれば、2,000万年後にブラックホールは銀河から脱出して、宇宙を永遠にさまようことになるだろう。

こうした証拠と理論的な考察から推測されたブラックホールが銀河の中心から追い出される仕組みはこうである。

ブラックホールが銀河の中心から追い出される仕組み

まず2つの銀河が融合する。それぞれの銀河にあったブラックホールは、新しく形成された楕円形の銀河の中心に向かう。

ブラックホール同士が互いの周囲を旋回するように移動し、まるでスプリンクラーのように重力波が撒かれる。

次第にブラックホールが接近。2つのブラックホールの質量と回転率が同一でなければ、重力波は一方向へ向けて特に強く放たれる。最終的にブラックホールが衝突して融合すると、反動で最も強く重力波が放たれていた方向の反対方向へロケットのように発射される。

可能性は低いが、別の仮説として、クエーサーが銀河の中にないということも考えられる。この場合、クエーサーは銀河の裏側にあるのだが、ハッブル望遠鏡の画像では、錯覚によって銀河と同じ距離にあるように見える。

仮にこれが正しければ、背後にあるクエーサーの中に銀河が検出されたはずだという。




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