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はやぶさ探査ロボット


はやぶさ2:着陸に挑む4台の探査ロボ 初の快挙なるか

探査機「はやぶさ2」は、小惑星リュウグウ上空からの観測や着陸しての物質採取に加え、4台の着陸機が探査ロボットとしてリュウグウ表面の直接探査に挑む。先代の「はやぶさ」は着陸機の小惑星への到達に失敗したため、関係者は「今度こそ成功し、リュウグウの表面の詳細な表情を地球に届けたい」と意気込む。着陸機は9月以降、順番にリュウグウ表面へ向けて分離される予定だ。

先代「はやぶさ」は小惑星へ着陸させる探査ロボット「ミネルバ」1台を搭載していた。「はやぶさ2」は日本のチームが開発した「ミネルバ2」3台と、ドイツ航空宇宙センター(DLR)とフランス国立宇宙研究センター(CNES)が開発した「マスコット」1台の計4台をリュウグウへ送り込む計画だ。リュウグウ上空で分離し、表面へ降下させる。リュウグウ表面を自ら移動してデータをとる「探査ロボット」と位置づけられており、小惑星のような小天体で探査ロボットが移動しながら観測することに成功すれば世界初の快挙となるという。

後継ミネルバ名前なく「2の1」「2の2」

ミネルバの後継となるのが「ミネルバ2」だ。ミネルバ2は少し複雑な構成だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した2台と東北大など5大学が参加するコンソーシアムが開発した1台で、JAXAの2台が「ミネルバ2の1」、大学コンソーシアムの1台が「ミネルバ2の2」と呼ばれている。呼称が複雑なため、開発に携わったJAXAの久保田孝・宇宙科学研究所研究総主幹によると「無事リュウグウに到着して産声を上げたら(通信できたら)、名前を付けたい」という。

名前がまだついていない今回は「2の1」「2の2」と呼ぶことにしたい。

「2の1」の2台は、先代のミネルバの機能をほぼ踏襲した双子のような探査ロボットだ。円柱に近い形で直径17センチ、高さ7センチ、重さはそれぞれ約1キロの手のひらに乗るほどのサイズだ。ミネルバ(直径12センチ、高さ10センチ、重さ約600グラム)より少し大きくなった。2台一緒に分離する。

特徴は、内蔵したモーターを回転させ、その反動を使ってジャンプして移動すること。ミネルバと同じ仕組みの移動方法を採用した。車輪を使うと、小惑星のように重力が小さな天体では機体が浮き上がりやすく、宇宙空間へ飛び出してしまう恐れがあるほか、表面が岩に覆われていると移動が難しい。そこで独自に開発されたのが、内蔵モーターを使った移動法だ。機体へモーターの動きが伝わると、上下についている金属製の「トゲ」がリュウグウ表面を蹴る形でジャンプする。

それぞれカメラを複数台搭載し、リュウグウ表面の静止画を撮影するほか、同時に2台のカメラで撮影することによって写った砂粒や石の大きさを計測できる。他に、光の方向を検知するセンサー、温度を測るセンサー、ジャンプしたときの回転を測定するセンサーを積む。

「双子」にした理由について、久保田さんは「打ち上げ前はリュウグウの自転軸の向きや表面の温度が分からなかった。そこで、内部の温度が上がりすぎないように、片方は機体を覆う太陽電池パネルの一部を外して熱を放出しやすくした。

2台降ろすことによって成功の確率を高めたいという思いもあった」と話す。

「2の1」は、「自律探査行動」機能を備える探査ロボットだ。リュウグウに無事着陸できた後は、自ら表面を動き回り、観測し、データを送る。

具体的には、太陽電池で動くため、太陽が当たらない夜は「お休みモード」になり、夜が明けて太陽光を検知すると動き始める。高温のときはコンピューターにトラブルが起きる恐れがあるため、内部の温度が80度に達すると「昼寝モード」になって動きを止める。

リュウグウ表面にはたくさんの岩があり、移動中にその影へ入ってしまう恐れもある。そのときは「暗くなったら脱出モード」になり、即座に元にいた方向へジャンプして、日の当たる場所へ移動する。カメラは定められたタイミング、間隔でシャッターを切り、宇宙空間など意味のない画像は消去して、リュウグウ表面など「もの」が写っている画像だけをはやぶさ2へ送る。

勢いよく跳びすぎると、リュウグウから宇宙空間へ飛び出してしまうし、モーターの回転が遅すぎれば移動できない。そこで、事前に計測したリュウグウの重力の数値を基に、ジャンプの大きさの上限と下限を教えておくという。

「寿命」は「数日間動いてくれれば成功」(久保田さん)。機体を覆う太陽電池パネルが発電した電力で動くミネルバ2は、リュウグウ表面を探査することによってパネルが砂で汚れたり、移動時に傷ついたりする可能性が高い。

太陽電池パネルが機能しなくなれば、探査を続けることは難しいという。

「2の2」は、東北大、東京電機大、大阪大、山形大、東京理科大の国内5大学が共同で開発した。直径15センチ、高さ16センチの八角柱で、重さは約1キロ。重力が小さな環境で移動する技術を検証する工学実験に挑む。移動システムは一つ当たり約30グラムまでという厳しい条件の中で4種類を開発し、搭載している。

マスコットは4種類の観測機器を搭載

「マスコット」は約10キロ(30センチ×30センチ×20センチ)と最も大きい。鉱物の特徴を分析する「赤外分光顕微鏡」▽夜間はカラー撮影もできる「広視野カメラ」▽「熱放射計」▽「磁力計」−−という4種類の観測機器が入っている。もともとは欧州宇宙機関(ESA)の公募に日欧共同で提案した小惑星探査機マルコポーロの着陸機として検討されていた。マルコポーロが不採用になったため、はやぶさ2へ搭載することになった。重りを使ったジャンプによって、1度だけ最大200メートル移動することができる。

探査ロボットなどを着陸させる探査では、対象天体の表面をミリ単位で観測でき、上空からの観測より何十倍も細かいデータが得られる。さらに、移動して何カ所も観測できる意味は大きい。久保田さんは「地球にも、サハラ砂漠のようなところも、アマゾンの熱帯雨林のようなところも、東京のようなところもある。さまざまな場所の情報を得ることは、対象天体の全体を把握するためには欠かせない」と説明する。

久保田さんはミネルバ2の技術を、将来の機動的な惑星探査に生かすことを考えている。大型の着陸機は開発に時間もカネもかかり、リスクの大きな場所に降ろすことはためらわれる。ミネルバ2クラスの数〜10キロ程度の小さなものであれば、多少のリスクがあっても「見たい場所」に複数台降ろし、データをとるチャンスを増やすことが可能だ。久保田さんは「JAXAが計画している火星衛星探査計画『MMX』や、小型月実験機『SLIM』にも小型の探査ロボットを乗せ、(火星の衛星の)フォボスや月の表面をピョンピョンと探査させてみたい」と構想を語る。

先代はやぶさの失敗を教訓に

はやぶさは2005年11月、ミネルバを分離したが、小惑星イトカワへ着陸させることに失敗した。失敗の原因は、ミネルバを分離する指令が届く前に、はやぶさが化学エンジンを噴射して上昇を始めてしまい、ミネルバがイトカワに接近できなくなったためだった。分離後に、はやぶさの太陽電池パネルを撮影したのが、ミネルバ唯一の成果だった。

ミネルバ分離の指令を送ったのは、ミネルバの運用を担当していた久保田さんだった。「はやぶさが判断して分離するよりも地球からの指令の方が確実に降ろせると考えた。しかし、実際は思ったよりも早くはやぶさがエンジンを噴射してしまった。本当にショックでした。『ああ、噴いちゃった……』と」と振り返る。このため、ミネルバ2の分離は、はやぶさ2に事前に分離時の高度や速度に関する条件を送っておき、はやぶさ2が自律的に分離することにした。久保田さんは言い切る。「何があっても絶対に地球からの指令ではやりません」




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