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ロイヤリティ引き下げ


セブンの「ロイヤリティ引き下げ」が意味するもの

コンビニ業界に激震が走っている――。4月6日、コンビニ大手のセブン-イレブン(以下、セブン)が、これまで「聖域」としてきたフランチャイズ(FC)加盟店のロイヤリティ引き下げ(1%減額)を表明したからである。

減額を開始するのは9月1日からで、期間は「当面の間」としている。ただ減額の目的の一つに、将来の加盟促進を挙げていることを考えると、恒久的な措置になる可能性が高いだろう。

加盟店から徴収するロイヤリティは、FC制度を基盤とするコンビニビジネスの核心部分だが、同社がここに手を付けたことの意味は大きい。コンビニのビジネスモデルは今後、大きく変貌することになるかもしれない。

本部と加盟店の微妙な関係

コンビニの業態はFC制度を抜きに語ることはできない。コンビニは他業態と比較して店舗数が突出して多く、直営店だけで機動的な店舗展開を実現するのは困難だからだ。例えばセブンは全国に約1万9000店舗を展開しているが、直営店舗となっているのは500店舗ほどであり、それ以外の店舗には独立したオーナーが存在している。

各店舗のオーナーは、FC加盟店として本部にロイヤリティを支払う代わりに、チェーンの看板を使わせてもらったり、商品の仕入れなどで支援を受けることができる。ただ、本部と加盟店の関係は非常に微妙だ。その理由は、本部と加盟店は常に利益相反を起こすリスクを抱えているからである。

ロイヤリティを一方的に高く設定すれば本部の利益は増加するものの、各店舗の利益は減少してしまう。

FCに加盟する店舗がもうかっていないと、新しくチェーンに加盟する人が減ってくるので新規出店が難しくなるほか、店舗の経営が苦しいと接客の質などサービス低下にもつながってくる。一方で加盟店の利益を過度に大きくしてしまうと今度は本部企業の業績が伸び悩んでしまう。

もし市場が順調に拡大している場合には、両者の利益が拡大するので、いわゆるWin-Winの関係になれる。だが市場が伸び悩んでくると、場合によっては本部と加盟店との間でパイの奪い合いとなり、両者に亀裂が入るケースも出てくる。

FC制度は外食など他業種でもよく使われているが、成長が頭打ちになり、本部とFCの関係がギクシャクする事例は少なくない。極論するとFC制度というのは、市場が拡大することを前提にしたシステムと考えた方がよいだろう。

コンビニのロイヤリティはかなり高額

加盟店とセブンの契約条件は、店舗の開設に必要な土地や建物をどちらの負担で用意するのかによって変わってくる。多くをオーナー側が用意するパターン(もともと酒屋など自らの土地で小売店を経営していたオーナーはこの形態を選択することが多い)では、粗利益の43%をセブンに支払うことになる(ローソンやファミリーマートは30%台)。例えば、1000円の商品を700円で仕入れて300円の粗利益を得たとする。ロイヤリティはここにかかってくるので、この場合には300円の43%、つまり129円をセブン側に支払うことになる

もし脱サラなどでコンビニの加盟店になるケースでは、加盟店オーナーが多額の資金を用意できないケースも多い。その場合にはセブン側が資金の多くを負担する代わりに、ロイヤリティの割合が上がってくる。売上高などによってロイヤリティの率は変わってくるが、粗利益の70%以上を本部に支払う契約もあるといわれている。

一連のロイヤリティは一般的に考えるとかなり高額である(例えば、飲食業界などは10%前後が多い)。仮に1日の売上高が50万円だとすると、1カ月の売上高は1500万円。仕入原価を70%と仮定すれば、1カ月の粗利益は450万円だ。ここで70%のロイヤリティが課せられしまうと加盟店オーナーが得られる利益は135万円に減ってしまう。

加盟店オーナーはここから自身の給料やアルバイトの給料、その他経費などを支払うことになるので、場合によっては利益がほとんど残らないこともある(セブンの場合には光熱費の一部を本部が負担するという制度がある)。

以前、一部の加盟店オーナーが本部との契約条件があまりにも厳し過ぎるとして労働委員会に救済を申し立てるという事例があった。全ての加盟店がそうではないと思うが、店によってはロイヤリティの負担はかなり重いものとなっているのだろう。

鈴木前会長の退任が「聖域」見直しのきっかけに?

コンビニ業界にとってロイヤリティというのはビジネスの核心部分であり、一種の「聖域」であった。

ロイヤリティの設定を下手に変えてしまうと、本部を運営する企業の業績にブレが生じてしまうのはもちろんのこと、加盟店の経営状況も変化し、今後の出店戦略にも極めて大きな影響を与えることになる。

当然、コンビニ各社は収益性の高いエリアでは加盟店の争奪戦となっている。加盟店の結束が崩れるようなことになれば、他社への乗り換えが進み、一気にシェアを奪われる可能性もある。

セブンは、これまで鈴木敏文前会長によるワンマン経営が続いてきたが、鈴木氏はセブン側の収益低下につながるロイヤリティの減額は絶対に認めなかった。今回、セブンが聖域であるロイヤリティに手を付けたことは、鈴木氏が退任して経営体制が変わったことと密接に関係している。

だが逆に考えれば、コンビニにとって核心部分であるロイヤリティの見直しを実施しなければならないほど、セブンは追い込まれつつあるともいえる。

店舗が飽和状態になるなど、コンビニのビジネスモデルがそろそろ限界に近づきつつあるというのは以前から指摘されてきたことだが、それでもセブンは何とか好業績を維持してきた。だが今回のロイヤリティの見直しは、コンビニのビジネスモデルが大きく転換する予兆なのかもしれない。




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